
週刊「マツダ・コスモスポーツ」では、10A 型ロータリーエンジンの1/2スケルトンモデルも同時組立て。可動式なので実際に動かしてロータリーエンジンの構造を理解することができます。
エンジンを作る1967(昭和42)年にマツダ(東洋工業)から発売された、世界初の実用・量産ロータリーエンジン搭載車である「マツダ・コスモスポーツ」。匠の手によって完全レストアされた実車を最先端の3Dスキャン技術を用いてデータ化、1/8スケールというビッグスケールで模型化しました。
膨大な資料をもとに可能な限り実車に忠実に再現されたディテールパーツの数々。ベースモデルは生産台数の多い後期型L10B。各ライトもLEDで点灯・点滅し、エンジン音などのサウンドも再現します。(本シリーズは、全100号で完成します)
車体を作る本誌に付属する「1/2スケール・ロータリーエンジンモデル」は、コスモスポーツに搭載された10Aエンジンをイメージした、実物の1/2サイズの可動式エンジン模型。背面のクランクハンドルを回せば、ハウジング内でローターが回転。アクリルカバー越しにその様子を見ることができる。2本の点火プラグは実車同様時間差で光る。
マツダ・コスモスポーツが誕生したのは50年前の1967年。量産市販車世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載。日本ではまだ贅沢品だった自家用車のなかでもひときわ高価で高性能だった。ロータリーエンジンは世界中の自動車メーカーがこぞって特許を取得し研究開発したものの、マツダのみが量産市販車搭載にまでこぎ着けた。このことが物語るように、ロータリーエンジンの開発は困難を極めたが、開発チームを率いた山本健一氏以下エンジニア47人の奮闘が成功に導いた。何度失敗してもあきらめないというスピリットが社員全員に浸透していた証でもある。
実車の1/8というビッグスケールで再現する模型コスモスポーツだからこそ、
忠実に表現されるプロポーションとディテール。
複雑に入り組んだエンジンルームや可動するギミックなど
1/8モデルならではの作り込みにも注目。
ドアやボンネット、トランクはもちろんのこと、給油口やグローブボックスまであらゆる扉が開閉できる。さらにその内部まで精巧に作られている。
灯火類はすべてライブ。ヘッドライト、テールランプ、ブレーキランプに加え、車内のメーターパネルやフットランプも点灯する。ウインカーは、実車同様に点滅。
車体左側面下部(サイドシルアウター)に設けられた4つの突起部は、リアブレーキパイプおよびフューエルパイプを保護するパイピングガードだ。見落とされがちな特徴も正確に再現している。
コスモスポーツ販売当時の旧マツダロゴを配したセンターキャップを持つホイール。細かな造形もそのまま再現。装着されるタイヤも、取材・資料に基づき当時のトレッドパターンが刻まれている。
トランクの内部のシートをめくるとスペアタイヤなどもセッティングされている。トランクスペースは開口部よりさらに広くなっており、実用性とデザイン性を両立している。
シリンダーにキーを差し込んでアクセルを踏むとエンジンサウンドを楽しむことができる。実際にベースモデルから音取りされたリアルなロータリーエンジンサウンドもこだわりの一つ。
千鳥格子模様のシートはシートベルトやリクライニング機構に至るまで精細に表現。グローブボックスまでもが開閉可能という、ビッグスケールならではのこだわり一杯のキャビン。
フロントサスペンションは、ダブルウィッシュボーンを再現。上下のアームとコイルスプリングで車体を支える。リアサスペンションは、コスモスポーツのタイトな設計を可能にした板バネを用いるド・ディオンアクスル。特徴的なリアサスペンションの形状が忠実に再現されている。
伝説のマツダ・デザインをまとうボディ
その名の通り、宇宙的、未来的ともいわれるコスモスポーツのボディを完全再現。ロータリーエンジン搭載ならではの低い
ボンネット、上下分割されたテールランプとサイドまで回り込んだバンパーなど、
コスモスポーツを彩るディテールを余すことなくモデルアップ。
本モデルの電装ギミックは、左写真の鍵を運転席のイグニッションに差し込むことでスイッチが入り、作動スタンバイ状態になる。鍵のデザインはもちろん当時のもの。
ライトの点灯などすべてのギミックは専用のリモコンで操作する。
またブレーキペダルを踏むとブレーキランプが点灯するなど実車同様の操作も可能だ。
コスモスポーツを1/8スケールでモデル化するために、3Dスキャニングという技術が用いられている。非接触光学式3次元デジタイザ機で実車のコスモスポーツから正確な3Dデータを取る手法だ。これによって対象に触れることなく、左右2つのカメラとレーザー測定機が対象物の座標データを取得し、面を構築することで3次元のCADデータを作る。さらに、取得したデータを車体のパーツ1つ1つに分解し、模型に適した形に再構築して模型部品のCADデータを製作する。こうして出来上がったCADデータから、3Dプリンタで試作パーツを作り、実際に組み立てられるように、細部を仕上げて1つのパーツが完成する。3Dスキャンニングの技術も飛躍的に向上しており、より精巧なスケールモデルが作れるのだ。
週刊『マツダ・コスモスポーツ』は全100号で完結する組立て模型だ。
毎号1/8コスモスポーツ車体モデルと1/2ロータリーエンジンモデルのパーツが付属する。
その100号までの組立て工程を紹介しよう。車体モデルとエンジンモデルは同時進行で組み上がっていく。
週刊『マツダ・コスモスポーツ』は、よりコスモスポーツの世界を分かりやすく楽しんでもらうため、
5つの章で構成されている。コスモスポーツの開発ストーリーやメカニズムのほか、
歴史を彩った名車たちやレースでの活躍などマツダのすべてが詰まったマガジンとなっている。
さまざまな困難を経て生まれた名車マツダ・コスモスポーツ。
その誕生の過程を土地、組織(会社)、人という3つの視点からたどり、昭和のモータリゼーションや日本の政治・社会情勢も踏まえて紹介する。
宇宙的ともとれる車体デザインに量産車初搭載のロータリーエンジン。コスモスポーツならではのデザインとメカニズムを図解を多用して解説する。
戦前のオート三輪から最新のロードスターまで、他のメーカーでは真似のできないマツダが生んだ名車たちを紹介する。コスモスポーツ以外にロータリーエンジンを搭載した車も多数登場。
耐久性に難ありと言われたロータリーエンジンの強さを証明するため出場したさまざまな耐久レース。50年前の84時間レースからル・マン24時間レース優勝までの感動の記録。
丁寧な組み立て説明とポイント解説で、模型づくりの楽しさをお伝えします!
毎号提供されるパーツの組み立ては、写真とCGを用い、ステップ・バイ・ステップで丁寧に説明するので、模型づくりの初心者でも安心して確実に組み立てることができます。
また模型づくりの楽しさを味わえるよう、見どころポイントも解説していきます。
ポイントは動画でも解説!
コスモスポーツの1/8車体モデルおよび1/2ロータリーエンジンモデルの組み立ては、分かりやすい動画でも解説します。実際の作業を動画で見られるから安心して組み立てられます。
(組み立てサポート動画はこちら)