数々の世界初を成し遂げた「はやぶさ」の遺伝子を受け継ぎ、
数多くのミッションと約52 億キロもの長い宇宙航海を乗り越えるために、
小惑星探査技術の粋が結集された「はやぶさ2」の詳細を見てみよう!

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    太陽電池パネル

    機体内のバッテリとともにイオンエンジンの電源となる。激しい温度変化や宇宙放射線、紫外線など宇宙の厳しい環境にも耐える。

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    X バンド高利得アンテナ

    Kaバンド高利得アンテナとともに地上と通信するためのアンテナで、大量のデータを送るときに使う。直径は90センチ程度。Xバンド(8GHz)の電波で通信する。

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    X バンド中利得アンテナ

    通信できる角度が高利得アンテナ広く低利得アンテナより狭いアンテナで、通信速度は高利得より遅いが低利得より早い。

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    X バンド低利得アンテナ

    X バンド高利得アンテナをフォローする、通信できる角度が広いアンテナで、通信速度はもっとも遅い。

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    Kaバンド高利得アンテナ

    大量のデータを地上に送るときに使う直径90センチ程度のアンテナ。Xバンドより約4倍速い32GHzで通信できる。

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    分離カメラ(DCAM3)

    衝突装置によってクレーターが作られる際、はやぶさ2本体から分離し、クレーター形成のようすを撮影する。

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    スタートラッカ

    はやぶさ2の姿勢(向き)を知るために搭載された装置(姿勢センサ)。星(恒星)の配置を見て、非常に高い精度ではやぶさ2自身の姿勢を知ることができる。

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    近赤外分光計(NIRS3)

    3ミクロン帯の赤外線を観測するための装置で、リュウグウの鉱物の種類、とくに含水鉱物の分布を調べるのに使用する。

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    再突入カプセル

    リュウグウで採取したサンプルを納めるのがココ!大気圏再突入時の熱からサンプルを守り、地球に持ち帰るためのカプセル。

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    広角光学航法カメラ(ONC-W2)

    リュウグウに接近する際に使用される広角カメラ。

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    サンプラホーン

    弾丸をリュウグウ表面に打ち込みサンプルを採取するための装置。リュウグウ表面を砕くことで表面物質を採取する。はやぶさで用いたものから改良されてた。

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    小型着陸機「MASCOT(マスコット)」

    ドイツのDLR、フランスのCNESによって製作された小型着陸機。リュウグウ表面に降り、4つの観測機器でデータを取得する。

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    イオンエンジン

    地球~リュウグウ間を航行する際の軌道変更に使う推進装置。推進用スラスタに比べ推力は小さいが燃費がいい。はやぶさ時よりも最大推力は向上している。

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    推進用スラスタ(12基)

    イオンエンジンより推力は大きい(1基につき20N )が燃費が悪いため、姿勢制御や軌道の微修正など、瞬発的な動作で使う推進装置。はやぶさの反省をふまえ、燃料漏れや配管凍結などへの対策がなされている。

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    レーザー高度計(LIDAR)

    はやぶさ2とリュウグウ表面とのあいだの距離を計測する装置で、計測範囲は数十メートル~数十キロ。リュウグウの地形や重力、表面の反射率などのデータも取得する。

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    ターゲットマーカ(5基)

    タッチダウン(着陸)前にリュウグウ表面に降ろし、これを目印にして降下する。はやぶさ時は2 基だったが5 基に増やした。

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    望遠光学航法カメラ(ONC-T)、広角光学航法カメラ(ONC-W1)

    はやぶさ2の航法誘導のための撮影や、リュウグウの観測を行うカメラ。

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    中間赤外カメラ(TIR)

    10ミクロン帯を含む中間赤外線でリュウグウを撮影し、小惑星表面の温度分布、さらには表面の状態を調べるカメラ。金星探査機「あかつき」に搭載したものと同等。

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    小型ローバ「MINERVA-II(ミネルバ・ツー)」

    リュウグウ表面を探査するための小型のローバで、3台搭載されている。リュウグウ表面に着陸し、ホッピング移動しながら観測を行う。2台からなるMINERVA-Ⅱ1はJAXAと会津大学が製作、MINERVA-Ⅱ2は東北大学、東京電機大学、大阪大学、山形大学、東京理科大学が共同開発した。

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    衝突装置(SCI)

    リュウグウに人工的なクレーターを作るための装置。約2kgの銅の塊を小惑星表面に衝突させクレーターを作る。

はやぶさ2諸元

質 量:
約609kg(燃料積載時)/約500kg(燃料未積載時)
通 信:
X-band( 8GHz )、Ka-band( 32GHz )
電 力:
1.4kW( 1.4au 時)/ 2.6kW( 1.0au 時) ※
大きさ:
【高さ】約1.25m×【幅】約1.0m×【奥行】約1.6m(探査機本体)
/【高さ】約1.25m×【幅】約6.0m×【奥行】約4.23m(太陽電池パネルオープン時)
推進系:
【推進用スラスタ】20N( 1 基あたり)、
【イオンエンジン】10mN( 1 基あたり)

※「au」は距離をあらわす単位で、1auは地球から太陽までの距離(=1495億9787万700m)を示す。

「はやぶさ2」ではアンテナがパワーアップ!

「はやぶさ」と「はやぶさ2」においてもっともわかりやすい変更点が、機体本体の上部に取りつけられた大きなアンテナだ。「はやぶさ」では1つだったアンテナが、「はやぶさ2」では2つになっている。新たに追加されたのは「Ka バンド高利得アンテナ」で、これはXバンドの電波よりも速い速度での通信が可能なKa バンドの電波で通信するためのもの。また、よく見るとアンテナの形も「はやぶさ」ではお椀型(パラボラ型)だったものが、「はやぶさ2」では平面アンテナに変更されている。この平面アンテナは金星探査機「あかつき」に搭載されたものと同等のもので、2つ合わせても「はやぶさ」のパラボラアンテナより軽く、さらに熱を集めにくいという利点もある。

はやぶさ2(hayabusa2)のアンテナ

はやぶさ(MUSES-C)のアンテナ

3つで1セットの光学航法カメラ

光学航法カメラ(ONC )は、望遠のONC-Tと、広角のONC-W1とONC-W2の、計3つのカメラで1セットになっている。いずれも可視光線(目に見える光の波長)を観測するためのカメラで、画像サイズは1024×1024ピクセルになっている。望遠のONC-Tと広角のONC-W1は機体の直下を見るために、ONC-W2は機体の側方を見るために搭載されている。

2015年12月3日に、3万6000km 離れたところから「はやぶさ2」の光学航法カメラONC-W2で撮影された地球。

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