山下氏の彩色表現には妥協が無い。
徹底的な情報収集と、水彩画や写真・印刷技術の経験を通した色へ執着が生み出す表現力。
これは、被写体の意味を考えない機械的な自動着色では到達できない世界なのだ。

空、海の色は今も昔変わらない
撮影場所 ・被写体の様子 ・季節や天候 ・時間帯によって変わる光
モノクロに記録された写真にも色彩のヒントはあふれています 。

明度差で表現されたモノクロ写真に色をつける事は、撮影環境や歴史的な事実から、
色相と彩度を推理していく作業なのです。

知っておきたいマメ知識 “色”

【色の三要素 】 色は 3つの要素から生成されている

◆ 色相(色)

◆ 彩度(鮮やかさ)

◆ 明度(明るさ)

色相の中で、純色に相当する色の明度はそれぞれ。
このような色の個性は、右のような色彩模式図からも読み取れます。
“色の三要素 ”のうち、明度はモノクロ写真に記録されている。
これと矛盾しないよう、当時のフィルム特性をふまえたうえで色相・彩度を写真や歴史的事実等から得られる情報によって決めいく。
それにより色の三要素がそろい、1つの色が決定される。
こうした作業の繰り返しで各色が決められ、彩色写真ができあがるのである。

写真が撮られたタイミング(年月日、時間)を頼りに詳細情報を得ていく。
周辺調査は、再現に大きく影響する部分である。
実際の色が確認できる情報が入手できれば、
明度、彩度、色相から、その他の部分も彩色が可能になる。

収集した情報から明度・彩度・色相を推理し、モノクロ写真に色をつけていく。
こうして当時の色を再現した彩色写真ができあがる。

  • こちらは、米国が発表した当時の彩色写真。
    炎の赤い部分面積がかなり大きく、
    大きな被害を演出している

  • モノクロ写真から実際の炎を丁寧に読み取り彩色すると当時の米国の彩色写真とはイメージが変わってくる。赤い炎の面積や煙色で、かなり印象が違う

1つのモノクロ写真から、彩色の違いで印象のまったく異なる写真ができる
=何を強調したいか、用途は何か、作り手の意図で操作ができてしまうのである

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