
F1世界選手権の歴史はイギリスのシルバーストンサーキットから始まった。当初の主役は、フロントエンジンの葉巻型シングルシーター。 以降、王者の座を狙い多くのチームがマシンを進化させ、数々の名勝負を重ねてきた。頻繁に変わる規則のもと、デザイナーをはじめ関係者の情熱と可能性の追求によって、マシンのスタイルや勢力図は刻々と変化した。それと共に、スタードライバーも数多く誕生した。人々の記憶に焼きついたマシンとドライバーの歴史を、大きな変わり目ごとにたどってみよう。
当時は選手権レース以外にもF1参戦のレースがあり、1951年サンレモGPではフェラーリが上位を独占。フェラーリ375F1はその優勝マシン。
1952年、1953年と2年連続ワールドチャンピオンに輝いたF1黎明期のスタードライバー、アルベルト・アスカリ。
イベント1950~
- ●1950年F1世界選手権発足(1950年5月13日イギリスGP)
- ●当初はエンジン排気量4500cc(NA)または1500cc(過給)が上限
- ●1952~53年F2(排気量2000cc)での選手権開催
- ●1954年排気量2500cc(NA)か750cc(過給)上限規定への変更
- ●1957年ミッドシップエンジン車初登場
- ●1958年コンストラクターズチャンピオンシップ制度発足
- ●1958年アルコール燃料禁止
ジュゼッペ・ファリーナ/フアン・マヌエル・ファンジオ/ルイジ・ファジオーリ/マイク・ホーソーン/スターリング・モス/アルベルト・アスカリ
F1世界選手権発足当初から、モンツァ・サーキットは戦いの舞台であり、ティフォシの熱狂の場だった。
マクラーレンの記念すべきフォーミュラ第1号は1966年のモナコGPでデビューした。写真は1967年に登場したM4B。
イベント 1961~
- ●排気量1500cc規定
- ●ミッドシップエンジン車が主流に
- ●アルミモノコック誕生(1962年ロータス25)
- ●ホンダの参戦(1964年オランダGP)
イベント 1966~
- ●排気量3000cc(過給1500cc)規定
- ●コスワース・フォードDFVエンジン登場(1967年)
- ●ウイングの普及
- ●タイヤ戦争激化
- ●ウェッジシェイプ型マシン初登場(1970年ロータス72)
ジャック・ブラバム/ジム・クラーク/グラハム・ヒル/フィル・ヒル/ジョン・サーティース/ヨッヘン・リント/ロレンゾ・バンディーニ/ジャッキー・スチュワート/ジャッキー・イクス/デニス・ハルム/ペドロ・ロドリゲス
1970年代後半から80年代前半を代表するドライバー、ニキ・ラウダ。レース中の事故によって大火傷を負ったが、翌シーズン、奇跡の完全復活を果たした。
1974年イギリスGPは、ティレルの南アフリカ出身ジョディ・シェクターが勝利。彼は1979年にフェラーリでワールド・チャンピオンとなった。
イベント 1971~
- ●DFV普及による新参チームの大量参入
- ●DFVエンジンの天下
- ●気筒数制限(最大12気筒・1972年~)
- ●スリックタイヤの登場
- ●ニキ・ラウダの大事故(1976年ドイツGP)
- ●日本で初のF1開催(1976年富士)
イベント 1977~
- ●ターボチャージャー付エンジン導入
(1977年イギリスGP/ルノー)
- ●グラウンドエフェクトカー登場(1978年/ロータス78)
エマーソン・フィッティパルディ/ロニー・ピターソン/ニキ・ラウダ/ジェームス・ハント/マリオ・アンドレッティ/カルロス・ロイテマン/ジョディ・シェクター/クレイ・レガッツォーニ/ジャック・ラフィット/ジル・ビルヌーブ
1984年、若きアイルトン・セナがトールマンからF1デビュー。この年の最高順位はモナコGPでの2位だった。
マクラーレン・イヤーとなった1988年、シャンパンをかけ合うアイルトン・セナとアラン・プロスト。しかし、このときすでに2人の仲は微妙な関係になっていた。翌年、セナ・プロ対決はさらに悪化。プロストはシーズン終了後にチームを去る。
1993年のベネトンB193。ターボエンジンが禁止されハイテクマシンが続々誕生したが、急激なハイテク装備規制も行われた。
イベント 1981~
- ●FISA-FOCA対立からコンコルド協定締結(1981年)
- ●カーボンモノコック初登場(1981年)
- ●フラットボトム規制によりグラウンドエフェクトカー禁止
(1983年~)
- ●ホンダのF1復帰(1983年)
- ●1986年NAエンジン禁止、全車ターボへ
イベント 1987~
- ●NAエンジンが排気量3500ccで復活
- ●ターボエンジンへの規制が強化
- ●マクラーレン・ホンダ16戦15勝(1988年)
- ●中嶋悟デビュー(1987年ブラジルGP)
イベント 1989~
- ●ターボエンジン禁止、NA一本化へ
- ●セミAT初登場(1989年)
- ●ハイノーズ登場(1990年)
- ●Qタイヤ(予選用タイヤ)の使用禁止
- ●アクティブサスペンション登場
- ●エイドリアン・ニューウェイとロリー・バーンに脚光
- ●ミハエル・シューマッハ登場(1991年ベルギーGP)
- ●ホンダ、F1撤退(~1992年)
- ●アイルトン・セナ死去(1994年サンマリノGP)
ネルソン・ピケ/ケケ・ロスベルグ/ジョン・ワトソン/アラン・プロスト/アイルトン・セナ/ナイジェル・マンセル/ミケーレ・アルボレート/ゲルハルト・ベルガー/ジャン・アレジ
1995年、ベネトンは初のコンストラクターズタイトルを獲得した。立役者は、2年連続ドライバーズタイトル獲得のミハエル・シューマッハ。彼はF1界の新ヒーローとなった。
イベント 1995~
- ●NAエンジン排気量3000cc規制
- ●スリックタイヤの禁止(1998年~)
- ●ナローF1時代到来(1998年~)
ミハエル・シューマッハ/デイモン・ヒル/ミカ・ハッキネン/ジャック・ビルヌーブ
2005年、フェルナンド・アロンソはルノーR25で自身初の3連勝を達成。スペイン人初のワールドチャンピオンとなった。
2001年、ウィリアムズはコロンビア出身のファン・パブロ・モントーヤをチームに迎える。デビュー初年にして彼は自らの速さを証明した。
イベント 2000~
- ●エンジン形式V10に統一
- ●HANS義務付け
- ●自動車メーカー参戦バブル
- ●ホンダ復帰、トヨタ参戦
イベント 2006~
- ●2400cc 90度V8エンジンに統一
- ●エンジン主要部品の開発凍結
フェルナンド・アロンソ/キミ・ライコネン/フェリペ・マッサ/ラルフ・シューマッハ/ジェンソン・バトン/ファン・パブロ・モントーヤ/マーク・ウェーバー/ニコ・ロズベルグ
新時代を牽引するトップドライバーのひとり、ルイス・ハミルトン。マクラーレンで印象的なデビューを果たし、メルセデスへと移籍した。
スクーデリア・フェラーリの人気マシン458GT2。F1のみならずル・マンなどでも活躍している。
イベント 2014~
- ●パワーユニット時代突入 1.6LシングルターボV6直噴エンジン+エネルギー回生システム規定
- ●ホンダ、エンジンサプライヤーとしてF1復帰(2015年)
- ●メルセデス圧倒時代
ルイス・ハミルトン/ニコ・ロズベルグ/セバスチャン・ベッテル/ダニエル・リカルド/マックス・フェルスタッペン