匠の逸品 VOL.01
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匠たちの手によって、1年かけてここまで原形を取り戻したランボルギーニ・ミウラですが、完成にはまだ数年の月日が必要です。職人技が生み出すアルミの芸術品を求めてどんな車でも往時の姿によみがえらせる【たたく】モノ作りへのこだわり納得のいくまで、時間を忘れて叩く。奥様から「工場で暮らせば?」と言われてしまったとか。クオリティを維持するため、数は多く作れません。 「このランボルギーニ・ミウラのレストアは、1年かけてまだ完成していません。まだまだ、いじるところ、こだわりたい部分はたくさんあります」 そう笑うのは、アルミの魔術師、鈑金マイスター・松村敬一さん。日本有数の自動車鈑金技術を有する、有限会社永遠(とわ)ボディーの代表取締役です。息子さんの敬太さん、片腕の芝井尚志さんとのトライアングルで、神奈川県相模原市の山間に、工場を構えています。確かな技術力を求めて、世界中のカーマニアはもとより、名を聞けば驚く自動車メーカーからも様々なリクエストが舞い込み、工場は常に大盛況。取材時もカンカンと鳴り響く鈑金の音は、ひと時として止む時を知りません。 「車のレストアは、作られた当時と同じ手法で再生しなければ全く意味を持ちません。当時の写真を見たり、寸法を測ったり。かけた手間と時間が出来に直結します。部品も本国から来るのを待つと、3ヶ月以上かかってしまいます。ならば自分たちで作ってしまえ、と。実際レ加工がむずかしいアルミ素材を、新幹線を作る機械で成形し、日本刀の手法で鍛造し、作り上げたコインケースとブリーフケースは、一生使える自信作です!MONOが語る物語代表取締役・松村敬一さん一生職人でいたいんですよ!ストア素材は、一から手造りするものがほとんどです」 工場内には、取材時ランボルギーニ・ミウラ以外にも、「フィアット500」、「LAND ROVER」から、戦前の日本陸軍が使用した四駆車までが、新しい生命を吹き込まれる時を、じっと待っていました。「まあ、ランボルギーニ・ミウラは、完成までに4年はかかるかな。費用?見当がつかない(笑)」と、松村さんは豪快に笑います。 そんな広大な工場から誕生した、「スタジオプロペラ」は、往年の名車と並んで、匠たちの手によって、クラフト感溢れるアイテムを生み出しています。今回デアゴスティーニが限定販売する「オリジナルコインケース」と、「ブリーフケースTB-04」は、高価なスポーツカーと同様の、99.8%の純アルミを利用した逸品。同じ匠の同じ手によって、クラシックカーを作り上げるように製作しています。「数を多くは作れません。量産すると必ずクオリティが落ちてしまうから」「うちのブリーフケースを愛用してくださるお客様は、使い勝手が悪いけど持ち歩くのが楽しいとおっしゃって長年使っていただいていますよ」と松村さんは嬉しそうに語ります。 アルミの魔術師は、今年71歳を迎えました。「やっと体が仕事を覚えてきた」全盛期を迎えた鈑金マイスターが、自ら叩きだした純アルミの傑作を、身に着けてみませんか。※職人が手作業で製作しております。ご注文が殺到した場合は、お届けにお時間をいただく場合があります。

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